富山の特産品・産業
季節だより 春夏秋冬

夏号

夏の暑ささながらに、熱い視線が注がれる富山の観光

1年を通して、天気が良ければ富山市内のどこからも見ることができる立山連峰は、冬に降り積もった雪が春の訪れとともに少しずつ溶けはじめ、梅雨が明ける頃から本格的な観光シーズンを迎える。

立山連峰

主峰である雄山を目の前に見上げる標高2,450mの室堂まで、富山駅から富山地方鉄道、ケーブルカー、高原バスに乗り継ぐこと約2時間。室堂から先は、トロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカーなどがJR信濃大町駅(長野県)まで連結しており、富山駅から立山連峰を貫通し、信濃大町駅までの約90キロを公共交通機関で移動できる。

3,000m級の北アルプスを東西に貫くこの区間は、世界に類を見ない有数の山岳観光ルートとして知られており、近年は国内だけでなく、韓国や中国をはじめとしたアジア地域から多くの観光客が訪れる。立山黒部アルペンルートを目指して山岳観光に訪れる人は、年間約100万人にものぼる。

ライトレール
おわら風の盆

山だけでなく海もあるのが、富山の醍醐味である。富山駅から低床式の新型路面電車ライトレールに乗ること約20分、海の玄関口にあたる岩瀬浜に到着する。海辺に広がる岩瀬の町は、古くから海運の要所として栄え、特に江戸時代末期から明治期は北前船の寄港地として栄華を極めた。

当時廻船問屋だった古い家や蔵が今も多く残されており、当時の面影をしのばせる。近年は町並みが整備され、廻船問屋だった森家周辺を中心に、観光地として賑わっている。古い町並みから歩いて5分ほどには、砂浜が約300mに渡って続く岩瀬浜海水浴場があり、夏は多くの海水浴客が県内外から訪れる。

古い町並みといえば、江戸時代から養蚕業で栄えた八尾がある。小高い丘の上に開かれた八尾は、坂が多い町として知られており、坂道の両側に町家造りの家が連なる情緒ある町並みが印象的だ。この町を舞台に、9月1日〜3日にかけて行われるおわら風の盆は、3日間で約30万人が訪れる、全国有数の祭りだ。

この八尾へは、富山駅からJR高山線で約25分。かたや標高2,450mの室堂へ、かたや砂浜が広がる岩瀬浜へと、富山駅を起点に公共交通機関がそれぞれに連結しており、かつ短時間で各地へ移動できるのが富山の特色である。

これから富山駅には、平成26年の開業を目ざす北陸新幹線が乗り入れる。全線開通すると、東京からの列車移動時間が短縮され、公共交通機関網はさらに機能的に連結される。既存の路面電車網を結びつけるなどして行政が推進する「コンパクトな町づくり」も、この特長をさらに際立たせることになりそうだ。

山も海も、町並みも祭りも、夏だけでなく1年を通じて、それぞれの味わいや楽しみ方がある。北陸新幹線開業を間近に控えた富山市は、今まさに夏さながらに、暑い、ならぬ熱い視線が、全国から注がれている。

参考文献、HP
富山市観光実践プラン(富山市編/平成20年3月)
まっぷるマガジン「立山・黒部・富山編」(昭文社)

◆このページの先頭へ